【報告】第2回ブラインドサッカー体験会を開催しました
10月10日(月・祝)に安曇野市堀金多目的屋内運動場(常念ドーム)で、『松本山雅ホームタウンサミット2016in安曇野』の午前の部として、第2回「ブラインドサッカー体験会」を開催しました。
ゲストに飯尾和也さん(コラソン代表・元山雅選手)、ちょんまげ隊長ツン(ツノダヒロカズ)さん、さらにサプライズゲストとして松本山雅FCの田中隼磨選手を迎え、前回に引き続き坂城町の長野県内唯一のブラインドサッカーチーム・F・C 長野RAINBOW代表の中沢医さんに指導いただきました。
一般募集した小学生から大人までと、松本山雅ユースアカデミーのコーチと選手の約60人が参加しました。
ブラインドサッカー(ブラサカ)は視覚障害者のために考案されたサッカーで、アイマスクで視覚を閉じてプレーします。
そこで準備体操からアイマスクを使い、ボールの受け渡しリレーや動きを言葉で伝えながら体操をしました。
2人1組の体操では声を掛ける人だけではなく、アイマスクをした人も能動的に声を発しながら意思疎通を図ることの大切さも体感しました。
10人ほどのグループで行ったボールの受け渡しリレーでは、正確なボールの位置を伝えるタイミングや方法も相談しながら取り組みました。
続いては鈴の音の鳴るブラサカボールをバトンに、離れたところに置いたコーンを回ってくるリレーです。
最初は折り返した後だけアイマスク着用、その後は往復ともアイマスクをして走る体験をしました。
頼りになるのは仲間の声など音だけです。
最初はどのチームも全員で声や拍手の音を出し、逆に混乱してしまう事もあったのですが、相談タイムを挟む度に、声を掛ける人を決めたりあと何メートル、あと何歩などと具体的に伝えられるようになり、リレーもスピードアップし白熱していきました。名前を覚えて呼び合うグループもあり、自分のグループを特定しやすいと中沢さんからそのアイディアを評価されていました。
体験は徐々に難易度を高めます。
続いてのドリブルでのリレーで頼りになるのは仲間の声や拍手の音に加え、ブラサカボールの鈴の音です。
日頃サッカーに取り組むジュニアユースの選手たちも、四苦八苦しながらそれでも集中しながら取り組んでいました。
ボールを持つプレーヤーを励ます仲間の声、ボールを受け渡しての達成感からの笑顔、湧きおこる笑い声、競技としてのリレーの結果に一喜一憂と盛り上がっていました。
具体的な指示を出し、声を発してのコミュニケーションの大切さを感じていただけたでしょうか。
最後はPK合戦です。
ゴールネットの裏に控えた、声を出して指示をするコーラーの声を頼りにボールをゴールに蹴り込みました。
ボールの位置を見失ってしまった時に飛び交う仲間からの指示の声も、より具体的にわかりやすいものとなっていました。
体験会後、田中隼磨選手は自身の網膜剥離にり患した際の経験から見えないことの恐怖を語り、体験会を通して感じたことを参加者が周囲に伝えていくことの大切さを説いていました。
飯尾和也さんは、初めてのブラサカの体験が有意義なものであったと感謝していました。
長年障害者スポーツに携わっているツンさんは、参加者も40年、50年後にはなにかしら体に不調が出てくることもあるかもしれず他人事ではない、障害者を支えていく人が必要なので力を貸してくださいと訴えていました。
参加された皆さまも、視覚障害への理解を何か一つでも深めていただければ幸いです。